天津神社
天津神社の舞楽は、俗に「稚児の舞」とよばれているが「大人の舞」もあり、ともに特色があり美しいものである。外来舞楽が日本化されて今日の宮廷舞楽が出来上がっているが、天津神社の舞は、この平安朝風宮廷舞楽でもなく能楽全盛期の室町風とも異なり、敢えて言えば鎌倉風とでも言うことになる。神楽や田楽ともまた風流踊りとも趣を異にして、能や風流出現以前の舞楽的な世界にあって創作された日本の舞であろうと言われる。
鶏冠(けいかん): 鶏冠をかぶり、胡蝶を背負い、菊の花を持って舞う。
4人の稚児が花に遊ぶ蝶のように平和で美しい。
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安摩(あま): 南方伝来の林邑楽とされ、面帽も面も装束も
異国風で手にバチを持ち、4〜6歳の稚児が舞う。
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抜頭(ばとう): 奈良時代に南方より伝来
した林邑楽と言われ、父の仇の猛獣を捜し求め、
格闘の末討ち取り、喜び勇んで山を下る様を
表すという。
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太平楽(たいへいらく): 優雅で可憐な武人の装束で舞い、その名のとおり、
乱世を治め、正しい道に直すという意味を表すめでたい舞である。

陵王(りょうおう): 赤地金襴の面帽子に竜頭、吊顎の面をつけ、
豪壮な装束に緋房のついた細い金色のバチを持ち、落日に舞う。
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